原因不明の悪心嘔吐への対応

原因不明の悪心嘔吐への対応

嘔吐中枢にある複数のレセプターをブロックする薬剤として、ジプレキサ(オランザピン)の臨床的有効性が報告されています。

糖尿病患者では禁忌(米国では、厳密に血糖管理下で使用可能)ですが、オピオイドによる悪心嘔吐も含め有効であることが経験されます。本来は精神分裂症の薬剤であり、他薬剤よりかなりのハイコスト(2.5mg錠で135.5円、5mg錠で252.8円)ですが、難治性症例では検討に値します。投与ドーズは、2.5mgから漸増して最大10mgまで(国内のケース報告)です。

* 注意: 最近、ジプレキサによるせん妄が国内外報告が散見されています。患者の基礎疾患(高齢者などでせん妄ハイリスク)、他のせん妄誘発効果のある薬剤(オピオイドや抗コリン薬)との併用による相加効果が推測されますので、ご注意ください。