- 初回からの有効率=約10%と低い(米国EPEC,2005)
- 不安が主たる原因な症例は劇的に有効(原因療法の1つ、だから)閉所恐怖症などの不安発作は急激におきるもの=他の原因を除外診断をして、可能性が高ければ(アルゴリズム上は原因治療として)モルヒネの投与前にトライすべきもの。
- アルゴリズムにより、モルヒネ効果が乏しいときの投与方法は「上乗せ」である=鎮静に移行することが多い
- 予後が「日単位」と予測されれば、モルヒネに上乗せした抗不安薬(ミダゾラム)を頓用でなく持続的な投与を考える(Navigante, 2006) べきである。
- クロルプロマジン(コントミン、ウィンタミン)などのMajorトランキライザーは、ケースレポート的な有効報告があるエビデンスレベルではある。しかし、せん妄合併時(興奮状態、呼吸困難への閾値が下がっている、悪夢として表現など多彩)に有効なので投与を検討=特にモルヒネによるせん妄が起きているとき。
フェノバール製剤(注、座剤)には、強い抗不安効果があり、蓄積による意識レベル低下や鎮静へ移行する(拮抗薬なし)ことを前提として投与を考慮する。
- 抗不安薬としては、ベンゾジアゼピン系薬物が第一選択。
米国のガイドラインでは抗不安作用としてロラゼパム(ワイパックスTM)が推奨されるが、錠剤だけでなく舌下・注射・坐剤などの剤型が豊富であることが理由であり、力価としては他のベンゾジアゼピン製剤では中間的な印象があり、レキソタンTM、コンスタンTMやソラナックスTMなどが力価は高い(佐伯俊成先生の緩和ケア講義スライド2014より)。
国内での非経口投与には拮抗薬(アネキセートTM)があるので、呼吸抑制や過鎮静時にリバースできるが筋弛緩作用とせん妄の誘発に(投与前)注意が必要。